まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

歌舞伎座

市川海老蔵改め十三代目市川團十朗白猿襲名・八代目市川新之助初舞台」と長い副題がつく「十一月吉例顔見世大歌舞伎」。浅草の平成中村座が3日間公演中止となり、今月の歌舞伎座は座組が大きく、これまでと違い楽屋もあちこちで相部屋のはずなので、中村座より感染リスクが高いんじゃないかと心配していたのだけれど、昼夜とも無事に堪能することができた。今月からずっと昼夜の二部制に戻るのかと期待していたのに、襲名披露の2か月だけで、1月からはまた三部制だそうな。がっかり。

それはともかく、昼の部の最初は襲名を寿ぐ「祝成田櫓賑(いわいなりたこびきのにぎわい)」。芝居小屋の前に続々とお祝いの衆が集まってくるという一幕で、襲名する当人たちは出て来ない。芝居茶屋の女房役で福助が元気な姿を見せてくれていた。

三枡の紋をあしらったシンプルな祝幕から、村上隆さんが歌舞伎十八番をカラフルに描いたパワフルな祝幕に変わり、客席が大いに沸く。

私の席から中央部分を見上げたのが右の写真で、弁慶の右下にいる2人が次の幕の「外郎売」。この祝幕、團十郎は当代より先代に似ている絵もあるんだけど、この小さな外郎売りは勸玄くん、もとい新之助にそっくり。菊五郎の工藤、左團次さんの朝比奈をはじめとするお歴々を前に、聞き所の長台詞のうち早口言葉もなめらかで、よく通る声に凛々しい姿。立派だった!

続いて新團十郎の「勧進帳」。猿之助義経幸四郎の富樫と同年代が揃いバランスも良く、新團十郎は強い目ヂカラをいかんなく発揮し、堂々たる弁慶。やっぱりオーラがあるのよねぇ。

これにて昼の部は終わり、夜の部が始まる前に舞台写真を、と思ったらまだ販売されていなかった。

夜の部の最初は、これも歌舞伎十八番の中から「矢の根」で、主役の曽我五郎を幸四郎が演じる。兄の十郎が助けを求める夢を見て、勇み立って出て行く前の着替えの場面で、太い紅白の紐を背中で立体的に締める後見の作業が大変そうで、結び目を握り拳で叩く力技に客席から拍手が起こる。幕が下りると後ろの席から「矢の根の十郎とこのあとの助六は同一人物なんだよ」「えー! なんで??」という会話が聞こえてきた。そうそう。もっと言うなら、さっきの外郎売りも同じ五郎なのよー。

続いて口上。今月は白鸚を中心に、襲名の二人も入れて7人と少人数で、後半では玉三郎も加わる予定。襲名披露ともなれば必要以上にヨイショすることが多いのに、白鸚は「諸先輩の言葉をよく聞いて」など若干の苦言も入り、左團次さんに至っては「お父さんは隅に追いやっといて八代目新之助さんをどうぞよろしく」と笑わせる。全員の口上が終わったあとに、市川宗家ならではの「にらみ」。ほぼ真正面でにらんでもらったから、これで無病息災間違いなし、かな?

そして最後は「助六由縁江戸桜」。新團十郎助六菊之助の揚巻、松緑の意休と、かつての「三之助」が揃う。置屋の赤い壁が目を引く舞台に色とりどりの豪華な衣装を着込んだ花魁がずらりと居並ぶ華やかさは格別。そしてやっぱり、新團十郎助六は、なんやかやいっても圧巻のビジュアル。こればっかりはねぇ、天性のものだから。芝居が進み、助六と意休の諍いになると、素の二人の関係性を思ってハラハラしちゃった。下手に裏の話を聞きかじっていると、こういうときに邪魔になるのね。

若手3人がメインの舞台に、仁左衛門のくわんぺら門兵衛、又五郎朝顔仙平、梅玉の白酒売と、先輩方が極上の華を添えてくれるのも襲名披露ならでは。

助六は来月も上演されるので、配役が代わるとどうなるのか、それも楽しみ。とはいえ演じる方にしてみれば、2か月間ほぼ毎日同じ役を演じるのは大変だろうなぁ。

初日の段階でまだチケットが余っていた昼の部も最終的には完売。断絶だなんだと騒がれていた新團十郎のお母様もちゃんといらしていたし、このまま来月の千穐楽まで無事に完走できますように。

帰宅したのは21時ちょっと過ぎ。ひと息ついてから1時間ほど和訳の修正をして、3つ目のファイルの修正がようやく終わった。もうだいぶ遅い時間だったけど、3つのファイルを送信し、まずは最初のゴールをクリア。ただ、もとの英文にも気になる点が多々あり、いつものようにメールに列記するとあまりに煩雑になりそうなので、必要なら修正すべき箇所を変更履歴として示すファイルを作成します、とオファーしておいた。必ずしも英文も同じ担当者が作っているとは限らないので、要確認。