まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

平成中村座

ゆっくり起きて、天気予報をチェック。冷え込みが厳しいので厚着がオススメとのこと。さて、どうしましょ。ヒートテックに裏起毛のジーンズ、ハイネックのロングチュニックの上に、ダウンよりは控えめな無印の中綿コートを羽織り、首元が寂しい気がして、しばらく前に手編みで作った真っ白な毛糸のマフラーを巻いて出かける。曇り空で日差しが弱く、厚手のダウンを着込んでいる人も少なくない。

浅草に到着。仲見世にはある程度、外国人観光客も戻りつつあり、浅草寺の本殿には列ができていたのでお詣りはあきらめて素通りし、境内に設営されている平成中村座へ。迷った末に第一部は見送り、第二部だけ。座布団と座椅子の平場の席はしんどそうなので、椅子席の最前列、花道よりの通路沿い。同じ列の中央には八嶋智人さんがいらしていた。三谷歌舞伎「月光露針路日本 風雲児たち」に出演していたヤッシー。マスクで顔が隠れているせいか、周りの人はほとんど気づいていなかったみたい。

最初は、有吉佐和子原作の舞踊劇「綾の鼓」。舞踊の場面はごく一部。初めて観た作品で、それもそのはず35年ぶりの上演。あとで調べたらもともとは能で、ウィキペディアに掲載されている能のあらすじよりもだいぶソフト。高慢なお姫様が自分に恋する三郎次に、綾織の布地が張られていて音が出るはずのない鼓を慣らして見せたら願いを叶えてやると鼓を与える。お姫様は鶴松、三郎次は虎之介、三郎次に鼓の手ほどきをする女性を扇雀。3人ともそれぞれに好演で、いい舞台だった。

休憩をはさみ、残り約2時間がお楽しみの宮藤官九郎作・演出「唐茄子屋」。「不思議国之若旦那」とサブタイトルが付く。落語にもある話に、不思議の国のアリスが大きくなったり小さくなったりする要素を加え、勘九郎が演じる若旦那、徳三郎が小さくなったところを勘太郎が演じる。若旦那が入れ込んでいる花魁と、因業大家に家賃を迫られる貧苦の母親の2役を七之助が演じ、貧しくても元気いっぱいの息子を長三郎くん、二人と離れて暮らす父親を虎之介。因業大家は彌十郎で、不良息子を実の息子でもある新悟くん。若旦那の面倒をみる伯父を荒川良々。その女房を扇雀扇雀は、片岡亀蔵と一緒にカエルも演じ、その場面では良々はアメンボで登場。獅童も鳶頭の役でエネルギッシュに客席を煽る。煩悩だらけの坊主たちによる下ネタ満載の場面はなくてもよかった気がするけど、とにかく出演している人たちがみな楽しそうで、その熱が劇場全体に渦を巻いて客席も巻き込んでいく感じが中村座ならでは。冒頭と大詰めで舞台の奥が開き外の景色が借景になる演出も効果的だった。面白かったー。

大満足で外へ出たら、寒い寒い寒ーい!

帰りに北千住で途中下車して、おぼんdeごはんの季節限定メニュー「鶏肉のチーズトリュフ醤油焼きと秋刀魚のきのこおろし定食」。鶏肉も秋刀魚も美味しかった。

21時半近くに帰宅し、22時半頃からまたテニスを観ていたら、23時半すぎに急ぎの仕事が飛び込んできた。何度かメールでやり取りをして受注確定。すぐに和訳をスタート。

書類は2つ。約2時間半の作業で1つ目の和訳が終わり、そこでやめても良かったんだけど、なにかこう、勢いがついてしまった感じで、まだテニスの試合が続いていたこともあり、2つ目の和訳を始めてしまい、午前6時近くまでかかって最後まで。いくら急ぎとはいえ、いきなりこんなに頑張っちゃうつもりじゃなかったんだけどー。