まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

稚魚の会・歌舞伎会合同公演

午前中に家を出て、半蔵門国立劇場へ。第28回「稚魚の会・歌舞伎会合同公演」(国立劇場歌舞伎俳優既成者研修発表会)。12日から5日間にわたって行われた公演の千穐楽。毎年、夏のお楽しみ。しかも7月は28日に歌舞伎座の第1部から第3部まで通しで観るつもりでチケットを取ってあったのに公演中止になってしまったから、歌舞伎そのものが6月末以来という、私にとっては長いご無沙汰。

「双蝶々曲輪日記」より「角力場」「引窓」と舞踊の「俄獅子(にわかじし)」。

舞台の上手に相撲小屋があり、締めの一番として濡髪と放駒の対戦が終わると、本来は小屋の扉が開いて中からそれぞれの贔屓が続々と出てくるのだけれど、時節柄、密を避けるためか、その部分はカットされ、勝った放駒が汗をふきふき出てくる。市川喜楽さんの濡髪長五郎の貫禄、坂東家之助さんの放駒長吉の一本気な様子、いずれも堂々としたもので感心しきり。私の右隣りの数人が家之助さんの友人らしく、登場した途端に「○○だ!」と小声でひそやかに盛り上がっていて微笑ましかった。そして幕が降りると「ガチでやばい」「すごくねぇ?」「○○やべぇ」と興奮気味で、いかにもイマドキの限られたボキャブラリーではあったものの、とっても誇らしそう。他の出演者のみなさんも同じように親しい人たちと喜び合うんだろうなぁ。

「引窓」では濡髪が尾上松三さんに代わり、坂東やゑ亮さんの南与兵衛に中村好蝶さんの女房お早、片岡市也さんの母お幸ほか。好蝶さん、とてもお美しい。メインの3人のアンサンブルがとても大切な一幕で、それぞれに難しい役を真摯に演じていらして、その熱量が伝わってきた。

「俄獅子」は、角力場で吾妻を演じた市川米十郎さんの芸者に、尾上音蔵さん、尾上音幸さん、中村翫延さんの3人の鳶頭ほか。歩き方ひとつとっても役によって様々で、特に音蔵さんがいかにも鳶職らしい足取りに見えた。

ロビーで研修制度に支援する「くろごちゃんファンド」の募金が行われていたので、500円のパンフレットを千円札で買ったお釣りを募金箱へ。9月からクラウドファンディングも始まるという。国立劇場は、来年10月の公演を最後に建て替えのため閉館し、最開場は2029年秋の見込みだという。まる6年も国立劇場での歌舞伎公演がないのは寂しいなぁ。またその間、チケットの売上による収入も途絶えるわけで、国の施設ではあってもとかく芸術に対する支援は限られているから、研修制度を維持するための資金繰りも厳しいんだろうなぁ。

帰りに北千住で途中下車して、マルイの中のオカダヤで黒いバッグの持ち手を買い、ルミネに移動して「おぼんdeごはん」で夕食。どうも最近、北千住で夕食となるとこのお店に入ってしまいがち。

バッグの持ち手は、織り終えたモノクロの織地を斜めがけできるポシェットにしたら意外と便利に使える気がして、黒なら間違いないと思ったのに、実際に織地に合わせてみたら黒のインパクトが強すぎてイマイチ。せっかく三つ編みみたいな素敵な持ち手を見つけたのに、残念!