まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

歌舞伎座

朝から歌舞伎座へ。今日は第1部から第3部までのフルコース。

まずは澤瀉屋の「新・三国志関羽篇。劉備が実は女性というのがミソで、笑矢の劉備猿之助関羽に中車の張飛。この3人を軸に、敵味方が入り乱れる乱世の時代。右近の香渓がキレイだったなぁ。その母親を門之助。普段は女形が多い笑三郎司馬懿も新鮮。敵対する側の軍師の諸葛孔明を演じるのは、弘太郎改め青虎。澤瀉屋の舞台ではすっかりおなじみなのが浅野和之石橋正次のお二人。浅野さんといえば「鎌倉殿の13人」での伊藤祐親が目に浮かぶので、曹操としての姿がとても新鮮。三国志には疎いんだけど、そんな私でも十分に楽しめる舞台だった。関羽篇ということは、続編もあるのかな? 期待しよう。

第1部の終了後、鎧一式が飾られている木挽町広場の歌舞伎茶屋で「隈鶏カレー」。なかなかのネーミングセンス。

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第二部は、体調不良で休演していた仁左衛門が復帰の「河内山」で始まり、休演中に代役を務めていた歌六の家老、千之助の波路、波路に横恋慕する癇癪持ちの殿様を鴈治郎、忠臣数馬は高麗蔵で、この役を他の人で観た記憶がないぐらい。仁左衛門河内山宗俊は、もうね、その一挙手一投足から目が離せないほど魅力的。来月も舞台が続くから、くれぐれもご自愛いただきたい。

続いて菊五郎時蔵コンビの「芝浜」。飲み仲間のひとりは左團次さん ♪ 裏長屋から立派な店構えに出世した後に登場するお芝居好きの丁稚を眞秀くん。大きくなったなぁ。「河内山」で殿様の家臣のひとりだった菊史郎が「芝浜」では可愛らしい町娘に大変身。若手中心の第一部と対象的な第二部。熟練の技に酔う贅沢なひととき。

タリーズでひと休み。今月は各部の間が約1時間ずつと短く、開演の40分前には開場するのでちょっと慌ただしい。

第三部は「輝虎配膳」という地味な演目で始まるせいか、第一部・第二部と比べて空席が目立つ。めったに上演されないし、長い物語のごく一部だけなので背景や人間関係がよく分からず、長年観ている私でもいまいちピンとこないうちに終わってしまった。

最後は幸四郎の「石川五右衛門」で、此下久吉を錦之助。見どころの葛籠抜けの場面でも「絶景かな」の南禅寺山門でも、亡き吉右衛門の面影が重なる。

大満足で歌舞伎座を後にし、急いで帰宅。英訳の続き。徐々にペースが上がってきたところでマイアミ・オープンの西岡くんの試合が始まり、ほぼ音だけで観戦しながら作業を続け、西岡くんがフルセットの末に勝利したのを見届けたところで、ちょうどキリがいいので中断。午前3時を過ぎてしまった。やっぱり翻訳という作業そのものが好きなんだよねぇ、と実感。30年以上もやっていて飽きないんだから、よっぽどよね。