まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

歌舞伎座

sousou というブランドのクリアファイルが2色あり、黒いほうに予備のマスクを、白いほうに歌舞伎座のチケットを入れ、両方を夕べのうちにバッグに入れてあった。ところが、肝心のチケットがなーい! 家を出る前にふと思いついて予備のマスクを入れ替えた。そのとき白いほうのファイルも一緒に出し、バッグに戻し忘れたらしい。気がついた時点でもう北千住。なにやってるんだかー。

幸い歌舞伎会のカードはあり、予約番号も手帳に控えてあるし、スマホのメールにも記載されているから、大丈夫なはず。そう思っても不安は残り、着いてすぐスタッフに事情を説明すると、地下の切符売場で相談してくれと。急いで地下に戻り、切符売場へ行くと、3つの窓口のうち中央は閉じていて、右の窓口では岐阜からひとりで来たという年配の女性がいかに大変だったかを熱弁していて終わる気配がなく、左の窓口では当日券を買いに来た2人が席を迷って決められずにいる様子。困ったなぁ、と立ち尽くしていると、別のスタッフが飛んできて中央の窓口を開けてくれて、スムーズに代券を発行してくれた。助かったー。

第一部の「一条大蔵卿」は感染の影響で配役が変更され、歌女之丞の常盤御前に京蔵のお京、國久の鳴瀬。勘九郎の大蔵卿、獅童の鬼次郎、山左衛門の勘解由は配役どおり。まだ若い國久さんは大役ゆえの緊張か、一番近いところにいる腰元役の春花さんに台詞を助けてもらう場面もあったものの、3人とも代役を立派に勤め、さすがの手腕。終演後、京蔵さんのことを「ほら、勘定奉行の人よ」と話している声がしたと思ったら、返事が「うっそー!」だったので吹き出しそうになっちゃった。

続く「祝春元禄花見踊」で小川陽喜くんが初御目見得。凛々しく隈を取り、立ち廻りも披露したあと花道を入り、幕切れに再び登場し、真柴久吉に扮したパパの獅童に抱かれて再び舞台中央へ。残念ながら台詞はなく、声を聴くことはできなかったけれど、いやもう、可愛いのなんのって、客席はもうみんなメロメロ。隣りで山三役の勘九郎が目を細めて見守っていたのも印象的だった。

第一部の終了後にはタリーズでひと休み。

第二部は、梅玉の翁、魁春の千歳とともに芝翫の「三番叟」、又五郎萬蔵鴈治郎の才蔵による「萬歳」に続き、「邯鄲枕物語」より「艪清(ろせい)の夢」。人の栄枯盛衰は所詮いっときの夢に過ぎないという故事「邯鄲の枕」に基づく物語で、お金に困っている艪清こと清吉(幸四郎)が見た夢は、お金を使うと罪になってしまうあべこべの世界。忠臣蔵の五段目のパロディもあり、定九郎もどきの盗賊を演じる錦之助が「俺の息子は大富豪同心だ」と隼人が主演したドラマのタイトルを入れるアドリブも。他にも様々な趣向で笑わせつつ、吉田屋の伊左衛門の姿はしっとりと。楽しい一幕。

歌舞伎座の外へ出て、東京アートセンターへ。手織教室のメンバーがアートセンターのレシピでリバーシブルのジャケットを製作中で、まだ縮絨前の織地を見せてもらったもののジャケットのイメージが湧かなかったので、店内に飾られている実物を見たくて行ってみた。それだけのつもりだったのに、ついつい糸を衝動買してしまうという…。

そのあとまだ時間に余裕があったので、木挽町広場の歌舞伎茶屋で甘味。うぐいす餅とみたらし団子のどちらかがついてくるのかと思ったら、両方だった。みたらし団子が思いがけず熱々でビックリ。それがまた美味しくてなおビックリ。

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第三部の「岩戸の景清」も感染の影響で松也に代わり猿弥の景清。もともとこんなふうに主役を張ってもちっともおかしくない人なんだよねぇ、と実感。景清が花道を入るとき、舞台には巳之助、歌昇、種之助、隼人、新吾、米吉、莟玉と若手がずらり。出番が少ないのがもったいない!

そして最後は猿之助の「四の切」。狐忠信は多くの役者が手掛ける役だけれど、猿之助が一番、運動量が多いんじゃないかしらん。キレッキレでジャンプ力も半端ない。それだけに前半の武士の姿との対比も見事。大詰めは、いつもは荒法師と狐忠信、義経静御前だけのところ、荒法師を抑えようとする義経の家来や腰元たちも出てきて、大勢が宙乗りを見送る形で幕が下りる。新鮮だし、とてもいいと思った。

今日の全豪オープンは録画していなかったんだけど、ダニエル太郎くんがマレーを撃破! しかもストレート勝ち。素晴らしいっ!!

そして朗報がもうひとつ。英訳の見積り依頼が入り、受注もほぼ確定で、最終確認を待つばかり。どうかキャンセルになりませんように。