まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

2本立てプラスアルファ

ヒューマントラストシネマ有楽町で上映中の映画のひとつを観たいと思いながらなかなか行かれずにいるうち、もうひとつ観たいと思っていた別の映画も上映が始まり、時間的にもちょうどよかったので続けて観てしまおう、とネットで予約をしておいた。

支度を済ませ、さあ出かけよう、とバス停に向かい、なにげなくスマホを開いたら、えっ! バッテリーの残量が36%しかない。おとといフル充電したばかりじゃなかった? 普段、フル充電すると4~5日はゆうに持つのに、なんで?? Amazonフォトをインストールしたのがよくなかった? 他にも設定をいじったかなぁ。以前どおりなら36%でも半日程度は安心だったのに、電池切れまで3時間ちょっとと表示されている。映画館の受付で予約メールの画面を見せて入場するシステムだし、その画面を表示できないと予約番号も分からない。1本目の映画はともかく、2本目の時間までバッテリーが持たないかも。途中で電源を切っておくにしても安心できないので、映画館についてまず受付で事情を説明すると、予約番号が分かれば事前にチケットを発券できると。よかったぁ。2枚のチケットを発券してもらい、ひと安心。

1本目の映画は、上映が始まったばかりの「ホモサピエンスの涙」。33とおりの短いエピソードで構成されていて、ロイ・アンダーソン監督の作風に慣れている人にはたまらなく魅力的な作品らしいんだけど、この監督の世界が初体験の私にはハードルが高かった。それでも映像美の素晴らしさは私にもよく分かり、特にシャガールの絵を連想させる場面はロマンチックで、強く印象に残った。

2本目は「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい」。この邦題は少し説明的すぎるきらいがあり、原題はシンプルに Edmond(劇作家エドモン・ロスタンのファーストネーム)。今でも盛んに上映されるこの作品が初日を迎えるまでの怒涛の日々と、初日の上演中にもなお巻き起こるすったもんだをパワフルに描いていて、文句なしに楽しかった。登場人物たちもそれぞれに魅力的。

映画館を出たところで写真を1枚。光の調整ができてないー。

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この時点で、スマホのバッテリー残量は28%。3時間ちょっとで切れちゃうはずが8%しか減っていない。なんかもう、分からなーい!

帰宅後、ウィーン国立歌劇場が9月の公演再開後にライブ配信したのを見逃してしまった「エレクトラ」が再配信されていたので、それを観る。再びロックダウンで公演中止を余儀なくされた結果、こうして無料配信が実現してその恩恵に預かっているというのは申し訳ないような気がするけれど、とってもありがたい。

過去2回の「エレクトラ」は2020年2月のライブ配信と2015年4月の舞台で、いずれもウヴェ・エレック・ラウフェンベルクの演出。全体的に暗い舞台の上手に設置されたエレベータがオレンジ色の光を放っていた。今回はハリー・クプファーの演出で、殺された前王アガメムノンの巨大な像が破壊され、胴体は上手に立ち、頭部は下手に転がっている。この演出のほうが好き。リカルダ・メルベートのエレクトラ、カミラ・ニールンドのクリソテミス、ドリス・ゾッフェルのクリュテムネストラ、デレク・ウェルトンのオレスト、イェルク・シュナイダーのエギスト。カミラはこれまで、「影のない女」でも「アラベラ」でも、上品でクールなイメージだったのに、この作品では爆発的なエネルギーを発していて、意外だった。ほぼ出ずっぱりのリカルダも同様で、とにかく熱い舞台。素晴らしかった。

「観る」に徹した今日のシメは「この恋あたためますか」。中村倫也さんがカッコよすぎる!