ネットで予約した加藤健一事務所の11月公演のチケット代をまだ振り込んでいないことを思い出し、申し込んだ公演日その他の必要事項を振込用紙に記入する必要があり、ネット経由で払い込むことができないので、自転車で郵便局へひとっ走り。振り込みを済ませて戻り、すぐに織り機を背負ってバス停へ。せわしないったら。
手織教室の前にサイゼリヤでランチ。一時期はまっていたフリコからはすっかり卒業し、今はミネストローネと辛味チキン、セロリのピクルスのトリオがお気に入り。
食後には、図書館で借りた飯間浩明さんの「三省堂国語辞典のひみつ」を読み耽る。辞書の話って面白いなぁ。
手織教室では、皆さんの作品を見せて頂くのが一番の楽しみ。大変な怪我をしてしばらく手織ができなかったメンバーが半年以上遅れてようやく仕上げたビーズ織りのお雛様。お内裏様の頭上に垂れ下がるように咲く小さな桜の花々がとても華やかで美しい。先生のスポットブロンソン織りのスカーフも素敵だったなぁ。槐(えんじゅ)でご自身が染めた糸は鮮やかで温かみのある黄色。遠目で見ると無地のようなのに、透かし模様のように細かい柄が入っていて、スポットの部分がポコポコと浮き上がって立体的。それでいてなんともいえないやわらかな肌ざわり。先生はその他にブックカバー用の織地を3点も仕上げていらして、すごすぎるー。それに比べて、スカーフ1本も仕上げられなかった私ってば。
帰りにタリーズに寄り、飯間さんの本を読了。帰宅後には、公演を開始したウィーン国立歌劇場が試験的に配信もしていて、アカウントを登録すれば無料で視聴できることが分かり、通算124本目となる「ドン・カルロ」を視聴。ヨナス・カウフマンのタイトルロールにミケーレ・ペルトゥージの父王、イゴール・コロヴァテンコのロドリーゴ(フランス語での上演で、ロドリーグと発音されていた)に、マリン・ビューストレムのエリザベート、イヴ・モー・ユボーのエボリ公女。アーカイブからの配信ではなく、数日前に行われたばかりの公演。ごく普通に、ソーシャルディスタンスがどうこうということもなく、抱擁もキスも当たり前のようにあった。2020-2021年シーズンをすべてキャンセルすることを決めたメトロポリタン歌劇場とは対照的。
リアルタイムでの視聴ではないため休憩時間は早送り。それでも4時間を超える大作が終了すると同時に、全仏オープンの準々決勝、ティーム対シュワルツマンの試合が始まるという絶妙のタイミング。
引き続き織りながら今度はテニス観戦。親友どうしの試合は白熱し、3度のタイブレークを含むフルセットマッチで、4時間超えの「ドン・カルロ」を上回る5時間8分の激戦。すごかったー。判定が際どい場面でも、相手の判断を互いに尊重し、相手のスーパープレイには称賛を送る。見ていてこんなに気持ちのいい試合ってなかなかない。勝ったシュワルツマンも敗れてなお清々しい笑顔でシュワルツマンを讃えたティームも、ひときわ輝いて見えたなぁ。
この試合が長引いたので、次の女子シングルス、シフィオンテク対トレビザンの試合が始まったのが午前3時45分。手織りのゴールがようやく見えてきたので、目がショボショボし始めたけど引き続き観戦しながら織り続け、シフィオンテクがストレートで勝ったところで、ようやく最後まで織り終えた。経糸がもうギリギリというところまで織り、緯糸も下の写真のとおり、2色とも残ったのはほんの少し。最後、白糸は20cmまで織れなかったけど、経糸の長さ分、緯糸がどうにか足りてよかったー。
さらにその次、ナダル対シンネル戦は5時45分からのスタートで、さすがにリアルタイムで観るのはあきらめた。現地時間では23時台とほぼ深夜の試合。まして今年は例年とは時期が違い、パリは冷え込み、観客の多くがダウンコートを着込んでいる。選手たちには酷よねぇ、と思いながら、ベッドへ。体内時計が狂いっぱなしだわー。