まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

万華鏡

ウィーン国立歌劇場が席数を限定して演奏会形式の公演を再開してからオペラの配信もスケジュールが変わり、日本時間で午前2時からの配信に加えて23時に配信されることもあり、その結果、視聴期限が迫る公演が重なってしまった。なので今日はオペラを2つと演奏会を1つ。

まずプッチーニの「西部の娘」。MET版は2回観ていて、ウィーン版は初めて。カリフォルニアの酒場に集う鉱夫たちのマドンナ的存在であるミニーが恋をしたディックが実は盗賊団の首領だったという話で、ニーナ・シュテンメのミニーにヨナス・カウフマンのディック。カウフマンはMET版でも同じ役を演じている。お尋ね者であることが分かり、絞首刑となるところをミニーの懇願で助かり、二人は新天地に向かうのだけれど、今までは西部らしく馬車で去っていくラストだったのに、今回はまさかの気球での旅立ち。なぜに。

ミニーの自宅にディックが招かれているところへ捜索の手が伸び、屋根裏にディックを匿っていることを保安官に知られ、その身柄をめぐってミニーが保安官とポーカーの勝負をする。その場面の緊迫感がこれまでに観た3回の中でピカイチだった。保安官はおなじみのトマース・コニエチュニー。

まず1つ観終えたところで、ヨーグルトを切らしてしまったので買い物に。その途中で見かけた紫陽花がとても美しく、調べたら万華鏡という種類らしい。

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帰宅後、演奏会形式の「ベルカントオペラの夕べ」を楽しみながら夕食を済ませ、2本めのオペラへ。

プロコフィエフの「賭博者」という作品で、MET版でも観たことがない初めての作品。原作であるドフトエフスキーの小説も読んだことがない。だからまったく手がかりがないのに、途中から字幕がまったく表示されなくなってしまい、思わず止めてネットであらすじを調べた。それで全体の流れは分かったんだけど、主人公のアレクセイが想いを寄せるポリーナの心の動きは理解できないままだった。彼女は借金があり、アレクセイが賭博で大金を手にし、彼女に渡すと、彼女はそれを「叩きつけて去っていく」とあらすじには書かれていたのだけれど、舞台では彼女が受け取らないことに憤り、アレクセイが彼女の首を絞め、彼女はぐったりと…。賭博場では白塗りの異様な人々が賭けに興じていて、アレクセイものめり込んでいくうちに顔が白くなり、右手は爪が伸びた悪魔のような手に変わり、異様な者と化していく。そこがクライマックス。でも分からない部分も多かったから、字幕付きでもう一度観たいなぁ。ドミトリー・ウリヤノフのアレクセイにエレーナ・グーセヴァのポリーナ。

合計約9時間近い鑑賞の間に、手織りに使ったグラデーションの糸の残りが玉が崩れてぐずぐずのゆるゆるになっていたのを巻き直す作業をしていたのだけれど、何度もからんでしまい、よりの弱い糸で、1本が何本にも分かれてしまうため、結び目をほどくのが容易ではなく、なんとか切らずに済ませたかったのにどうにもならず、結果的に5つもの小さな玉になってしまった。色の変化もなくほぼ1色。1つの大きな玉になるはずだったのになぁ。それでも、経糸にラメ入りの緑を差し入れたように、ちょっとしたところに使える可能性があるから、やっぱり捨てられないのよねぇ。