寝るのが遅くて起きる時間も遅くなるといういつものパターンで、ウィーン国立歌劇場の配信を観始めるのが午後になってしまった。どうもパソコンの前で何もせずにただじっくり鑑賞というのができないたちで、でもニャンドゥティはまだ次の木枠の準備ができていない(布を張るタコ糸の緩みをとっている最中)。手織はすでに織り始めているものの、グラデーションの色が変わるスパンが長すぎて、思ったより単調になってしまったものだから、イマイチ気に入らなくて中断している。よし、思い切ってやり直そう、と決め、どこをどう変えるかを考えて糸の準備をし、通し番号102となる「アラベラ」を観ながらまず、ほどく作業。
通し番号94の「アラベラ」から3年余り後の2017年3月の公演で、演出はまったく同じ。配役は、アラベラ・ズデンカ姉妹の父親(ヴォルグファング・バンクル)と、ズデンカに愛されていることに気づかずアラベラに夢中のマッテオ(ヘルベルト・リッパート)と、アラベラの求婚者3人のうちエレメール(ノルベルト・エルンスト)の3人は前回と同じ。新しい顔ぶれは、アラベラをカミラ・ニールンド、ズデンカをチェン・レイス、姉妹の母をステファニー・ハウツィール、4人めの求婚者となるマンドリカをボー・スコウフス。
アラベラの家族は、父親はギャンブル狂で母親は占いに依存、妹は、美しい姉へのコンプレックスなのか自己肯定感が低く、女性としての自信のなさから男性として振る舞っている屈折ちゃん。貴族の家柄でありながら家計は火の車なのに、アラベラだけは女王様のように悠然としていて動じない。カミラ・ニールンドはそんな女性像にピッタリ。最後はハッピーエンドだけど、そこに至るまでがドタバタなのに、リヒャルト・シュトラウスの音楽が優雅で美しいのよねぇ。
… とオペラを堪能しつつ、すでに織ったところをすべてほどいたあと、経糸に別の色を加える試み。以前、同じことを試み、巻き取ってある経糸をすべてほどいて一部だけ入れ替えようとしたら、他の経糸まで絡んだり長さがそろわなくなったりして収拾がつかなくなってしまったので、今回はほどかずにやってみる。織り機の手前が織り始めに当たる部分で、奥に巻き取ってある経糸をほどきつつ手前に巻き取り直すと、その最終地点は「わ」になっているので、入れ替える箇所だけを抜き取り、1往復分ずつ別糸を入れ込んでいく。入れ替えたのは合計6箇所。その部分が緩まないように気をつけながら、経糸全体を元通りに巻き取り直せば完了。うまくできた!
無事に経糸の入れ替えが終わったので、早速、織り直してみる。模様の位置はそのままで、形を変えてみた。ブーケ織の応用。
この写真だとよく分からないけど、入れ替えたグリーンの経糸にはわずかにラメが入っていて、キラキラするので織っていても楽しい。グラデーションも、この写真より実際のほうが色濃く出ていて、それなりにキレイ。大変だったけど、やり直してよかったー ♪