まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

ドン・ジョヴァンニ

アルパのレッスンから帰宅したのが18時半すぎ。ひと息ついてからオペラ鑑賞。ウィーン国立歌劇場の「ドン・ジョヴァンニ」で、22日に観た2018年1月の公演に続き、今日の配信はその1年前のもので、23日にMETのヒストリカル映像でも観ているから、わずか4日の間に3回め。ウィーン版は2回ともジャン・ルイ・マルティノティの演出で大きな違いはないのだけれど、タイトルロールが前回はリュドヴィック・テジエで、今回のサイモン・キーンリーサイドはMETのライブビューイングで上映された公演でも同じ役を演じている。

同じ演出なのに違っていたのは、今回のドン・ジョヴァンニが一番セクシーな場面が多いこと。ツェルリーナとの場面でも、これまではドン・ジョヴァンニ口説き文句にツェルリーナの心が揺れることはあっても、あくまでいたずら心的な軽いものだったのに、今回は、ツェルリーナが自らドン・ジョヴァンニの胸に飛び込み、熱い抱擁を交わし、ハッキリとは確認できなかったけどキスもしていたような…。その後、浮気を疑うマゼットをなだめる場面でも、マゼットの上に馬乗りになり、彼を癒やす「薬はここよ」とマゼットの両手を自分の胸に当て、身悶えてみせる。ドン・ジョヴァンニも、様々な場面で行き交う女性に声をかけ、その都度、抱きしめてみたり、騎士長の亡霊を食事に招く場面でも、レポレッロが食卓の支度をしている間、ドン・ジョヴァンニはメイドを床に押し倒し、さらにもう1人のメイドも加わり絡み合い、メイドのほうも応じる気満々。他の公演では、口だけ達者な色男というイメージだったドン・ジョヴァンニが今回は格段に生々しく、女性の側も彼に魅せられてしまうことが強調されている結果、エルヴィラが彼を忘れられないのも納得がいってしまう。こうした違いはおそらく稽古の段階で生まれたものなんじゃないかと。そういう要素があってこそ、同じ作品が何度も上演されていても観続ける面白さがあるのよね。

オペラとは関係ないけど、お花の写真。

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