夕べはなんやかやで寝るのが遅くなり、その分、今日は大幅に寝坊をしてしまった。そのせいで、ウィーン国立歌劇場の「魔笛」を観始めたのはお昼過ぎ。
何日か前に「子供のためのオペラ」シリーズのひとつとして「魔笛」が配信されているものの、オリジナルの配信は今回が初めて。MET版も観ているし、なんといっても「夜の女王」のアリアが有名で、OTTAVA でもよくかかる。物語の内容もすっかり把握しているつもりでいながら、実は以前から、ザラストロがなぜ夜の女王の娘であるパミーナをさらって来たのかを疑問に思いながら、きちんと調べたことがなかった。それが今回、夜の女王とパミーナのやりとりに、父は自ら光輪を信者に託したという一節が出てきて、これまで耳にしたことがなかった(または気付いていなかった)。それで初めて調べてみたら、とんでもなくスケールの大きい背景があった。パミーナの父の時代にはまだ男女の性区分がなかった、というところから始まっているものの、その部分はざっくり省略するとして、パミーナの父が手放した光輪は今ザラストロの手にあり、ザラストロが支配する光の世界と女王が支配する夜の世界とは対立関係にあり、女王はザラストロを倒して光輪を取り戻そうとしている。タミーノは光の勢力に属する王子で、タミーノとパミーナが結ばれることで、対立する世界を融合させ、新たな時代を築くことができる。そのためにザラストロはパミーナを女王から引き離し、タミーノを呼び寄せたと。なるほど!
対訳にはパミーノの父に関する歌詞があるのに、その部分をカットして上演されることが多いため、今まで分からなかったのねぇ。
アダム・フィッシャー指揮、モシェ・ライザー&パトリス・コリエ演出で、トーマス・タッツルが演じるパパゲーノが客席に降りていく場面もあり、歌劇場でもそんなことするんだー、と意外だった。そのパパゲーノの頭が一見ごく普通うなのに、服についてる紐を引くとモヒカンみたいに中心が立ち上がり、トサカのようになるのがおかしい。イェルク・シュナイダーのタミーノ、オルガ・ベズメルトナのパミーナ、夜の女王はヒラ・ファヒマで、ザラストロはルネ・パーペ! 昨日観たばかりの「アラベッラ」でズデンカだったイレアナ・トンカがパパゲーナ。
タミーノとパミーナが試練を乗り越えたとき、なぜか二人ともスーツ姿で現れたのが謎。
猫と柿の絵が完成したので、絵の教室から、小さなキャンバスを2枚(ゼロ号とサムホール)を持ち帰ってきた。その時点ではまだ何を描くかまったく決まっていなくて、これまでに自分で撮った写真やダウンロードした画像の中から素材を物色し、描いてみようと思い立ったのが自分で撮ったこの写真。
縦横比からゼロ号のほうが向いているようなので、鉛筆で下描きをしてみた。カラーだと白い花がクッキリしているけれど、線だけだと花びらと葉の区別がつかなくて、何がなんやら。大丈夫かしらん。
緊急事態宣言が解除されることになった。その結果、今の日常がどんなふうに変わっていくのか…。ぼんやりとした不安。