まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

演舞場 昼の部

昨日の夜の部に続き、今日は昼の部。

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最初は「祇園祭礼信仰記」。獅童の松永大膳に、その弟を「超歌舞伎」でも獅童と共演している國矢、孝太郎の雪姫、右團次の久吉。物語自体がそれほど盛り上がらないんだけど、豪華絢爛な金閣寺を舞台に、雪姫が祖父雪舟の故事を真似て爪先で鼠を描く場面では、桜の花びらがこれでもかというぐらい降りしきり、見た目は実に華やか。

次の「鈴ヶ森」は刑場が舞台なので一転して見た目は暗くて地味なんだけど、滑稽な立廻りで大いに笑わせてくれる。白井権八には襲名後どんどん良い役がつくようになった莟玉。梅幸さんが70代でも演じていた役だけど、莟玉だと権八の実年齢に近いので新鮮。長兵衛を海老蔵、身ぐるみはがれてしまう飛脚を九團次。

そして最後がお楽しみの「雪蛍恋之滝」。あの秋元康さんの作・演出で、海老蔵は忍者の稲妻を、冒頭ではその幼少期を勸玄くんが演じ、見事な立廻りを披露する。稲妻が仕える清宗(獅童)は、政虎(右團次)が所持する南蛮渡来の爆薬の作り方を記した一巻を稲妻に盗ませるが、これは偽物で、問題の爆薬の作り方は政虎の娘月姫(児太郎)の背中に入れ墨されている。ウランやプルトニウムという言葉まで飛び交い、核爆弾を示唆していることが分かる。稲妻と月姫は恋に落ち、最後は二人して息絶える…その最後の場面で大量の雪片が降るわ降るわ。昼の部だけで桜の花びらと雪片とで2回も大掃除しないといけないのねぇ。

新作歌舞伎はどうしても当たり外れがあるんだけど、これは当たりといっていいんじゃないかな。月のビジュアルはとても印象的だったし、舞台装置の転換の仕方にも工夫があった。

まだ月半ばと早かったので、舞台写真が出ていなかったのが残念。

仕事のゴーサインが出たので急いで帰らなきゃ。