まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

エフゲニー・オネーギン

午後の早い時間に、OTTAVA.TV で配信されているウィーン国立歌劇場のオペラ「エフゲニー・オネーギン」を観る。昼間のうちにヘッドホンなしで視聴したいと思っていたら、配信終了の直前になってしまった。危ない危ない。

メトロポリタン・オペラのライブビューイングでこれまでに3通りの配役で観ている。初めて観たときにタイトルロールを演じ、鮮烈な印象を残したディミトリ・ホヴォロストフスキーがその10年後に55歳の若さで亡くなってしまい、その訃報に大きなショックを受けたことを思い出しながら開演を待つ。

MET版は3回とも同じ演出だったんだけど、今回は当然ながらまったく異なる演出で、シンプルな舞台装置がかえって効果的。特に、タイトルロールのエフゲニー・オネーギンに恋をしたタチアナが彼への手紙をしたためながら想いを込めたアリアを歌い上げる場面で、背景にその文面が大きく映し出されるのがとても印象的。ロシア語だから読めないんだけど。

ミヒャエル・ギュトラーの指揮、ファルク・リヒターの演出で、タイトルロールのエフゲニーをポリス・ピンハソビッチ、タチアナをマリアーナ・レベカ、タチアナの妹オリガをマルガリータ・グリツコヴァ、その婚約者でエフゲニーの親友だったのにエフゲニーと決闘の末に殺されてしまうレンスキーをパヴォル・ブレスリク、とそれぞれに好演だったんだけど、タチアナの夫となった老伯爵を演じるフェルッチョ・フルラネットが素晴らしすぎた。出番は少ないのにものすごい破壊力。圧倒的な存在感。

最後まで観終えてひと息ついたところで林田さんの OTTAVA Salone がスタートし、その終了後にまたひと息ついたところで時効警察。次回がもう最終回だなんて、寂しいなぁ。

… とたくさん観ながらチクチク。「牛のヒヅメ」という模様での一周ぐるりが終わった (^^)

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