まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

歌舞伎座 昼の部

f:id:maru99:20190326154607j:plain

せっかくの歌舞伎座で、サングラス着用。悲しい。でも仕方がない。

昼の部の幕開きは「女鳴神」。鳴神上人は鳴神尼に、雲絶間姫は雲絶間助に変わり、黒雲坊・白雲坊も尼の拵えに変わる。孝太郎の鳴神尼に鴈治郎の雲絶間助。普段の「鳴神」だとおおらかさを感じる色ごとの場面が男女が逆になるだけでやけに生々しくなってしまうのはなぜかしらん。鴈治郎は最後に押し戻しとして再登場。和事の絶間助と荒事の押し戻しとを続けて観ると、やはり和事の人なのだなぁ、と思う。

次は舞踊で幸四郎の「傀儡師」。もう三十年以上も歌舞伎を観続けていながらいまだに踊りがよく分からない私がいけないんだと思うけど、傀儡師つまり人形遣いが自らを様々な人形に見立てて人形芝居の登場人物を踊り分けていくのがこの舞踊の面白さ…のはずなんだけど、結局よく分からないまま終わってしまうという (^^ゞ

最後は「傾城反魂香」で、いつもの「吃又」の前に「高嶋館」の場と「竹藪」の場が付き、狩野元信が捕らえられ、自らの血で襖に虎を描くと、その虎が絵から抜け出す様子が描かれ、吃又の場に登場する虎につながっていく。通しで上演されることがない演目だけに、こういう企画は大歓迎。

白鸚の又平に猿之助のおとくという新鮮な配役。弥十郎の将監に門之助の妻、高麗像の修理之助と、無口な夫に代わり、ひとりであれやこれやと喋り倒すおとくの役は、やりすぎると滑稽になってしまうところ、猿之助は夫思いのいい女房になっていて、この人にはこうした古典の役もたくさん見せてほしいなぁ、とあらためて思った。

充実した舞台だったのに、腫れぼったいまぶたが重く感じて…そのせいかどうか分からないけど、時々ちょっと意識が飛んでしまった。最前列のど真ん中で、ただでさえサングラス着用で目立っていたかもしれないのに、申し訳ないー。