まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

歌舞伎座 夜の部

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ゆっくり起きて、お土産で重くなったバッグを背負って帰った肩の痛みをマッサージチェアでやわらげ、スッキリとした青空が広がっているのに天気雨がぱらつく中を東銀座へ。

夜の部最初の演目は、「近江源氏先陣館」(通称「盛綱陣屋」)。関ヶ原の戦いで敵味方に分かれて戦った真田兄弟をモデルに、時代を変え、佐々木盛綱・高綱兄弟に置き換えた物語。高綱のニセ首を北条時政に本物と信じさせるため、父の後を追うと自害する小四郎を勘太郎が、幼少の身で勇ましく戦場に駆け出して行く盛綱の一子小三郎を寺島真秀くんが演じ、仁左衛門の盛綱に秀太郎の微妙、雀右衛門の篝火に孝太郎の早瀬、歌六の時政、そして左團次さんの和田兵衛と手堅い布陣で、物語の筋がもうすっかり分かっているのに、小四郎の健気さに泣かされてしまう。鎧兜が嬉しくてたまらないという真秀くんも可愛らしかったー!

続いて「雷船頭」は、猿之助の女船頭に猿弥の雷さまでコミカルに。楽しい舞踊。

最後は「弁天娘女男白浪」で、幸四郎の弁天に猿弥の南郷という新鮮な顔合わせ。駄右衛門が白鸚だったので、師匠でもある父親が真後ろに鎮座ましましているのはプレッシャーではないかしらん、と余計な心配をしてしまった。ニンにないかと思ったけど、すごく丁寧に、楷書に演じていた印象。 

猿之助の鳶頭。友右衛門が演じる濱松屋の主の名代として南郷と交渉するときは濱松屋の名入りのハッピを着て、それ以外の場面では脱いでいる。細かいところまでちゃんとしてるんだよねぇ、歌舞伎って。彼が怒って投げつけた豆絞りの手拭いを弁天が帰るときに頬被りに使うという工夫も、よく考えられているなぁ、と先人の知恵に感心せずにいられない。

松屋の若旦那を鷹之資。もうこんなに大きくなったのねぇ。松也が小四郎を演じていた頃から観ているからなぁ。鷹之資の顔の大きさは亡父譲りか。

稲瀬川勢揃いの場面では、亀鶴の忠信利平と笑也の赤星が加わる。亀鶴さん、久々に観たような。もっと活躍してほしい人のひとり。一方、猿弥は「盛綱陣屋」にも注進役で出ていたから、夜の部はフル出演。演技の幅が問われるのかしらねぇ。

昼の部は、しばらく先までお預け。