まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992018-12-25

クリスマス当日だけど、私のクリスマスはムーミンのツリーを飾るだけで特にイベントはないので、まずは郵便局で年賀はがきを書い、昼食と夕食の間のような時間にがっつりお肉を食べてから、千秋楽前日の歌舞伎座へ。20日の昼の部からだいぶあいて、今日は夜の部。

最初の「壇浦兜軍記」より「阿古屋」はAプロ・Bプロの2種類があり、Aプロでは玉三郎の阿古屋に松緑の岩永、Bプロでは児太郎と梅枝が日替わりで阿古屋を演じ、岩永が玉三郎に代わる。3種類の配役をすべて観た人がどのくらいいるのか分からないけど、手帳とにらめっこっで迷った末に選んだ今日はBプロの梅枝バージョン。

面長で目が細めの古風な顔立ちで、現代の女形の中では浮世絵の美人画に一番よく似ているのではないかしらん。琴、三味線、胡弓の3つをそれぞれかなりの時間、観客の目の前で演奏しつつ、阿古屋の心情を表さなければならない難しい役をよくこなしていたと思う。裁き役の重忠を彦三郎。朗々とした声で口跡も良いのでピッタリ。問題は玉三郎の岩永で、赤っ面の敵役を玉三郎が一体どう演じるのかと思ったら、面で顔はほとんど見えない。人形振りで演じる役で、台詞は義太夫が語るから、声も出さない。これをわざわざ玉三郎にやらせる意味があるのかなぁ。他の誰かと入れ替わっていても誰も気づかないと思う。

続く「あんまと泥棒」は、中車のあんま秀の市と松緑の泥棒権太郎の二人芝居で、もとはラジオドラマだそうな。中車がこれまで演じてきた歌舞伎の役のなかで一番のはまり役と言えるんじゃないかしらん。本人もノリノリで、顔の表情筋ってあんなに動くの? と変な感心をしてしまうぐらいの顔芸にあのダミ声なので、うまいと言うべきなんだろうけども、最前列のど真ん中で至近距離だったこともあり、正直、目にも耳にもしんどかった。秀の市の大嘘にすっかり騙されて、泥棒に入ったのに自分の金を与えて帰っていく人のいい権太郎。松緑によく合っていた。最近の松緑って、なにげにヒットが多いよね。もっと評価されてもいいんじゃないかなぁ。

最後に玉三郎の新作舞踊「傾城雪吉原」がつく。雪の中で傾城姿の玉三郎がゆるやかに舞うだけなんだけど、ただただ美しく、うっとり。やっぱり玉さんはこうじゃないと。Aプロではこの舞踊が児太郎と梅枝の「二人藤娘」に代わり、噂によると、二人がまるで姉妹のようで、二人の間に妖しい雰囲気さえ漂い、素晴らしかったらしい。それも観たかったなぁ。

帰宅後、年賀はがきを印刷。最初、プリンタが反応してくれなくて、新しいプリンタでは初めてのトラブルだったので、年賀状作成ソフトとの相性が良くないのかなぁ、と心配になったけど、パソコンを再起動してみたら正常に印刷できた。ホッ。