まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992018-09-19

いつもなら歌舞伎座は千秋楽近くに行くのだけれど、今月はちょっと早めに、今日の夜の部と明日の昼の部。

午前中は片付けものやらなんやらでバタバタと過ごし、あいにくの雨模様の中、気温もやや低いので、七分袖の上に長袖のカーディガンを着ていく。日々、気温の上下が激しいものの、間違いなく秋になりつつあるのねぇ。

「秀山祭九月大歌舞伎」夜の部の最初は、幸四郎が操り人形になって踊る「松寿操り三番叟」。人形遣いを演じるのは吉之丞。子役から吉右衛門の部屋子となった人で、吉男・吉之助時代は同世代と横一線の印象だったのに、先代吉之丞の芸養子となり、先代の没後に三代目を襲名してから、どんどん大きな役が付くようになってきた。彼が活躍することで、いわゆる「門閥外」の他の若手にも起用の機会が広がっていくといいのだけれど。

次は「俊寛」。吉右衛門の舞台はほとんど毎回、歌六又五郎錦之助雀右衛門と同じ顔ぶれが周囲を固め、たまにはもっと新鮮な配役で…と思わないでもないのだけれど、今回は、娘婿の菊之助が成経として加わり、妹尾には又五郎左團次さんや弥十郎に比べて小柄ではあるものの、口跡がよく、十分に憎々しくて、敵役として文句のない出来。吉右衛門俊寛僧都が素晴らしいのは言うまでもなく、充実した舞台…だったのに、おかしかったのは客席のほう。妹尾と俊寛の対決の場面で、何度となく笑いが起こるのだ。妹尾が俊寛に浴びせた無慈悲な台詞を丹左衛門がそっくり妹尾に返す場面、劣勢の俊寛を助けようと千鳥が必死で妹尾に砂や石を投げつける場面、殺された妹尾が運ばれていく場面などで、一人二人でなく、あちこちで笑いが起こる。同じものを観ていて、どうしてここ笑う気になるのかと、まったく理解できなかった。笑い声は当然、舞台の上にも届いていたはず。たまたま今日だけそうだったのか、毎回こうなのかは分からないけども。

最後は、玉三郎を軸に、太鼓芸能集団「鼓動」を迎えての舞踊三種「幽玄」。その第一は「羽衣」で、球三郎の天女が透き通るように美しい。第二の「石橋」では、「羽衣」では漁師に扮していた歌昇、萬太郎、種之助、弘太郎、鶴松の5人が獅子となる。和太鼓のみのリズムに乗ってキレッキレの踊りで、毛の流れがピッタリ揃い、観ていてとても気持ちが良かった。そして第三は「道成寺」。鼓動は玉三郎と各地で様々な公演をしていて、興味はありつつ、これまで観に行ったことはなかった。それを歌舞伎座で体験できるなんて。鼓動単独の公演にも行きたくなってきちゃったなぁ。

大満足で歌舞伎座を出ると、まだ雨が降り続いていたので、最寄り駅のひとつ手前の駅からバスで帰宅。ひと息ついてから、録画しておいた東レ・パンパシテニスの2回戦。凱旋試合となった大坂なおみがチブルコバに快勝! 全米のあと、なおみフィーバーでイベントやメディアへの出演が重なり、疲れているだろうに、素晴らしい!!