まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992016-11-24

朝起きてすぐ、窓の外をチェック。降ってる〜! 予報どおり関東では54年ぶりの11月の初雪。

ヒートテックにニットのロングチュニック、裏起毛のレギンスにコートを着込み、靴は迷った末に、夕方までにはやむそうだから、レインブーツではなく普通の靴で出かけることにして、いざ外へ出てみたら、傘を指していても斜めに雪が降り込んでくるので、駅まではバス。

まだ積もってもいないのに案の定ダイヤは大幅に乱れていて、遅れてはいても順繰りに来るからホームで長く待たされることはなかったけれど、徐行運転で時間がかかる。地上を走る常磐線の影響らしく、大手町で半蔵門線に乗り換えてからは順調だった。十分に余裕をもって半蔵門の駅に着き、サンマルクカフェに落ち着く。サンドイッチで腹ごしらえを済ませ、図書館で借りてきた「切り裂きジャックの告白」を読みふける。

入り口のドアに近い席で、入ってくる人の気配にふと目を上げると、そこには歌舞伎のお仲間が。思いがけないところで〜、とお久しぶりのご挨拶。時間まで同じテーブルでお喋りを楽しんでから、連れ立って国立劇場へ。

開場50周年記念として3か月がかりで上演される「仮名手本忠臣蔵」の第二部は、「落人」こと「道行旅路花聟」で始まる。昼夜の二部制で上演される際には、判官切腹と城の明け渡しという辛く悲しい場面に続き、昼の部の終わりを華やかに飾る幕だから、そこから始まるのはちょっと違和感、というか新鮮。錦之助の勘平に菊之助のお軽、亀三郎の伴内。姿だけでなく声もいい人が揃って、目にも耳にもごちそう。

続く五段目は、菊五郎の勘平というだけでもう嬉しい。権十郎の弥五郎はも鉄板。松緑の定九郎は、「五十両」の台詞まではすごく良かったんだけど、撃たれたあとの身体の動きが前かがみでバタバタしすぎなのがもったいなかった。血糊が口からちょっと出ただけだったのは、そういう演出にしたのか、うまく流れなかったのか。与市兵衛をまだ若い菊市郎が演じていて、老役の払底が実感される。

六段目も引き続き菊五郎の勘平に菊之助のお軽。東蔵のおかやも魁春のお才も団蔵の源六もそれぞれ何度も演じているから抜群の安定感。夫婦の行く末が分かっているから、お軽を乗せた籠が花道を入っていく時、これが今生の別れになってしまうのよねぇ…としみじみ。

七段目ではお軽が雀右衛門に替わり、吉右衛門の由良之助に又五郎の平右衛門、橘三郎の九太夫に吉之丞の伴内、種之助の力弥。亀三郎が剽軽な伴内から凛々しい義士の先峰に一変し、朋輩の義士には亀寿と隼人。

どの幕も、それぞれが十分に手に入っている役を存分に見せてくれて、素晴らしく充実していた。それなのに、左隣りの席のオバサン、最初から最後まで8割方ずっと寝ていた。拍手が起こると反射的に目を開いて一緒に拍手するんだけど、すぐまた寝入ってしまう。もうひとつ隣りの連れの女性も起こそうとはせず、不思議に幕間は起きているのに寝ていたことを話題にもせず、「ああ楽しかった」って言いながら帰ったけど、ほとんどなんにも覚えていないんじゃないかしらん。私もたまに寝落ちするけど、あんなにずっと寝たままというのは、ないわ〜。よっぽどお疲れだったのかしらねぇ。

終演後、しばらくロビーでお仲間を探したものの、見当たらないので歩き出したところで、彼女の方から声をかけてくれた。なかなかお会いできない方との嬉しい偶然に感謝 (^^)

幸い帰りはもう雪も雨も降っていなかったものの、顔に当たる空気が冷たかった〜。もうすっかり冬。今からこんなに寒くて、1月、2月まで乗り切れるのか、不安になっちゃうわぁ。

お楽しみの後は仕事仕事。英訳の続きを午前5時近くまで。2通目の議事録を最後まで訳し終えた。ふぅ〜。