まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992016-01-17

浅草歌舞伎に続く新年2度めの「観る」イベントに備え、夕べは早めにベッドに入り、睡眠時間を確保。9時にアラームをセットし、一度は目が覚めたのに、まさかの二度寝。しかも1時間半近く寝入ってしまい、二度めに起きた時にはもう10時半を回っていてビックリ。東劇で午後1時からなのに!

あたふたと身支度をして、大急ぎで東銀座へ。どうにか上映開始の20分前に着き、コンビニでオニギリを買う余裕があった。ふぅ〜。

ベルク作の「ルル」は、METライブビューイング今シーズンの4作め。オペラに限らず歌舞伎や現代劇でも、初めて観る作品はなるべく予備知識を入れずに、まっさらの状態で臨むことにしていて、今回もそう。ところがこの作品、ジェットコースターのように展開がめまぐるしく、登場人物の関係性についての詳しい説明もないので、ところどころ理解が追いつかず、休憩時間にスマフォであらすじを調べてようやく納得し、次の幕に進むという自転車操業のような形になってしまった。音楽も独特で、十二音技法による無調音楽 … というものらしいのだけれど、メロディらしきものがほとんどなく、それでいて歌唱そのものは素晴らしいので、この音楽をバックによくあんなに歌いこなせるなぁ、というのが正直な感想で、歌唱に圧倒される反面、音楽としては楽しむところまでいかなかった。そんなふうに戸惑っていたのは私だけではないようで、途中で帰ってしまう人も何人かいた。こんなこと、かつてなかったんだけどねぇ。評価の分かれる作品ということだろうか。

背景には、墨と毛筆による大胆なデッサンやロールシャッハテストを思わせる画像、新聞記事などが次々にプロジェクションされ、スタイリッシュなスライドショーのよう。貧民街である男に拾われ、男との関係を続けながら、次々に男たちをとりこにし、破滅させていく魔性の女ルルを演じるのは、マルリス・ペーターセン。長くこの役を演じてきて、今回が最後だという。生活苦から身を売るしかなくなり、最後には殺されてしまうルルを変幻自在に、まさにルルその人であるかのように生き生きと演じ、舞台上で躍動していて、華奢な身体のどこにあれほどのエネルギーが隠されているのかと驚嘆。でもね、最後に彼女を殺してしまう男を彼女を最初に助ける男と同じ人が同じ服装で演じていて、そういうふうに演じるように指定されているそうなのだけれど、ラストの彼が切り裂きジャックだなんて、スマフォで調べて知ってビックリ。ただ観ているだけじゃ分からなかった。

ストーリーは他愛なくシンプルでも、ドラマチックな音楽と歌唱でたっぷり聴かせて魅了する、それがオペラの王道だとすれば、「ルル」はまさに異端と言うべき作品。いつもこんなに毒のある作品ばかりだと疲れちゃうけど、たまになら刺激的でいい。やっと物語の全貌が分かったから、もう一度観たらまた違う感想を抱くかも。

たっぷり4時間で5時すぎに東劇を出て、ちょっと早いけどナイルレストランへ … と思ったら、なんとスタッフがインドに帰省しているため、3月までお休み。しかもお休みは昨日から。残念〜!

帰りに北千住駅構内の書店に寄ったら、耳鳴り関連のムック本が出ていて、即買いしてそのすぐ近くのカフェでさっそく読んでみた。前に別のムック本で知った「耳つまみ」も時々やってるんだけど、なかなか続かないのよねぇ。以前のように、耳鳴りがひどくて眠れない、なんてことはなくなったけど、今でも特に左側で電子音のような音がしている。この種類の耳鳴りは治りにくい、とどちらのムック本にも書かれていたので、やっぱり慣れるしかないのかしらねぇ…。

夜半から雨。雪になる可能性もあるらしい。今のところまだ雨だけど…。