まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992015-08-26

朝から小雨の中を8時半すぎに家を出て、まずは北千住のスタバでコーヒータイム。アボカドベジーをテイクアウトして東銀座の歌舞伎座へ。

いつもは昼の部と夜の部を別の日に分けて観るのだけれど、8月の納涼歌舞伎は三部制なので、一気に第一部から第三部まで同じ日に観てしまうことにした。

第一部のはじまりは、シンデレラによく似た「おちくぼ物語」。成立は10世紀中頃と言われているから、シンデレラよりずっと古い。継母とその娘たち、亡き母によく似た心優しい姫、家の中のもめごとに関わるまいとするる父親という構図はそっくり。魔法使いは出てこない代わりに、姫にはその境遇を哀れみ幸せになってほしいと願う忠義の人達がいる。同じようにいじめられていても、和風になると情緒が漂う。七之助の姫、隼人の少将、弥十郎の父に高麗蔵の継母、二人の姉を雁成と國久、亀蔵の典薬助、巳之助の帯刀、新悟の阿漕、宗之助の兵部、国生の牛飼。

続く「棒しばり」は、弥十郎の大名に勘九郎の次郎冠者、巳之助の太郎冠者。勘三郎三津五郎の姿に重なって、楽しい踊りなのに涙がこらえられなくて困った。

第二部は今月唯一の時代物「ひらかな盛衰記」の逆艪で始まる。お筆の役は、今は舞台を離れている澤村藤十郎が演じた際の凛とした姿が目に残っている。今回は扇雀。我が子を失う哀しい母を児太郎。福助に似てきたなぁ。舞台復帰は叶わないのだろうか。橋之助の樋口、弥十郎の権四郎、勘九郎の重忠。国生、宣生、鶴松の船頭。

久しぶりの「京人形」を勘九郎の甚五郎、新悟のおとく、七之助の人形の精、鶴松の姫、隼人の奴。大工道具を使った立ち廻りを見せる工夫とはいえ、人形師の家に突然、捕手が押し入ってくるのが唐突すぎる、と毎回思う。

第三部の「芋掘長者」は、「棒しばり」と合わせて三津五郎に捧げられたもので、日本一の舞の上手と自負する三人の端正な踊りと、芋掘りの場面をそのまま表した滑稽な踊りとの両方を楽しめる。橋之助の藤五郎、巳之助の治六郎、七之助の緑御前、秀調の後室、新悟の腰元、国生の兵馬、鶴松の左内。

大いに笑わせてくれたのが最後の「祇園恋づくし」。次郎八とその妻おつぎを扇雀が二役で演じ、江戸っ子の留五郎を勘九郎七之助の染香、巳之助の文吉、鶴松のおその、弥十郎の持丸屋、高麗蔵の楼閣の女将。勘九郎は、江戸弁でポンポンと勢いよく台詞を言うと、ますます勘三郎に似るのよねぇ。

七之助勘九郎弥十郎の3人は6つのうち4つに出ていて大忙し。なかでも七之助は、いずれも女形ながらまったく異なる役柄で、変幻自在の大活躍。以前は線が細くて寂しげな印象だったのに、今はもうノリにのってる感じ。

楽しかったぁ。木挽町広場に盆栽のお店が出ていて、入る前に寄って心惹かれながら、種類が多くて決められず、お店が閉まる前にもう一度行ったら、新たに入荷してますます数が増えていて、黒松や百日紅、カイドウなどもミニチュアで可愛かったんだけど、さんざん迷ったあげくに写真の多肉のを連れ帰ってきた。どんなふうに変化するのかなぁ。楽しみ♪