まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992012-06-29

昨日に続いて演舞場。が、その前に、9時の診療開始を待って眼科へ。コンタクトレンズを受け取り、急いで帰宅してすぐに駅へ。千代田線が遅延していてハラハラしたけど、10分足らずの間に40分遅れの電車が来て、余裕で到着。ロビーで倍賞美津子さんを見かけた。「龍馬伝」で弥太郎のお母さんだったね。ましゃは観に来たのかなぁ。先週からずっと海外にいるそうだけど。

九代目中車の襲名披露狂言「小栗栖の長兵衛」は、型のない世話物なので大きな違和感はないのだけれど、やっぱりどこか違うんだわねぇ。当たり前だし、仕方ないけども。それでも真摯な姿が胸に迫って、客席からは大歓声。今後を考えるにつれ、なんと過酷な道を選んでしまったのかと思う。

口上は、藤十郎が仕切り、最後に満を持して新猿翁が登場する。ある会報誌で歌舞伎史の連載をしていた頃、澤瀉屋に対してはどちらかといえばアンチだったけれど、1回につき3年分の資料をもとに執筆する際、ほぼ毎回、彼の革新的な努力とその成果にふれないわけにはいかなかった。それほどフル回転で走り続けてきた彼が突然、病魔に倒れ、約8年ぶりの舞台復帰。身体の自由はきかず言葉も明瞭ではないけれど、客席の熱狂がなによりも彼の築いてきたものの大きさを物語っている、と夕べのカーテンコールに続いて感慨を新たにしたのだった。

猿之助から、段治郎改め月之助が膝の故障で列座できない旨の説明があった。療養のためしばらく舞台を離れていたそうな。ごめん。知らなかったよ。毎月観てるのに (^_^;)

続く「義経千本桜 − 四の切」は再び亀ちゃんワールド炸裂。スーパー歌舞伎だけでなく古典もしっかりやっていくという姿勢を示す演目と言っていいのかな。昼も夜も最後は宙乗り。華やかだけど、やるほうはすっごく大変らしいのよねぇ。

終演は2時半すぎと早く、銀座7丁目の渋谷画廊へ。画廊協会展で、I さんがオーナーの画廊「節」からも油絵教室の先生とB氏の日本画などが出品されている。出品前に見せてもらっちゃったんだけどね。こじんまりした画廊なのでそれほど時間はかからず、そのあとさらに文春画廊へ。I さんオススメの「奥の細道を描く・沖津信也油絵展」。ご本人がいらしていたのでちょっと緊張した。

渋谷に移動し、モスフレッシュネスバーガーのブルーチーズバーガーで腹ごしらえを済ませ、文化村へ。コクーン歌舞伎第13弾の「天日坊」を観る。座布団の平場は久しぶり。クドカンの脚本だから、勘九郎が演じる主人公が「マジ?」を連発するなど、はじけた部分も多々あるけれど、なんというか、勘三郎と串田さんとのコラボから始まったコクーン歌舞伎も回を重ねるにつれてここまで熟成してきたのか、という感慨が大きかった。子役の頃から観てきた勘九郎七之助の成長に新たに目をみはる思いもあった。なんと生き生きしていることか。ただやはり、これはこれでスーパー歌舞伎と同様に現代の歌舞伎のひとつのジャンルのようなもので、本流はあくまで古典でなくてはならないと思うし、そうあってほしい。十年後、二十年後の歌舞伎はいったいどのような姿をしているのだろうか、と考えたりもした。

この舞台には、白井晃さんや、真那胡敬二さんをはじめとする元オンシアター自由劇場のメンバーも何人か出ていて、ラストの立廻りでは彼等がトランペットなどを舞台上で演奏し、そのまま客席に降りて演奏を続けるという、オンシアの「ペリカン党」さながらの演出で、なつかしく、嬉しかった。

そんなこんなで盛りだくさんの金曜日♪