まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992010-08-23

国立劇場はずいぶん久しぶりな気がして、調べてみたらなんと1月の初芝居に行ったきり。こんなにご無沙汰しちゃうとは!

しかも今日観るのは通常の公演と違い、普段は脇から歌舞伎の舞台をしっかり支えてくれている国立劇場研修制度の出身者たちが晴れて大役に挑戦する稚魚の会・歌舞伎会合同公演。今年の演目は『仮名手本忠臣蔵』から五段目・六段目と八段目の道行という果敢な挑戦。A班B班の2組に分かれて同じ演目を上演するのだけれど、2日に分けて観る余裕がないので最終日に両方を通して観ることに。

いやぁ、それにしても朝から暑いこと! ここ数年は全席指定になったからギリギリに行っても大丈夫だけど、それまでは自由席だったから早くから列ができて、並ぶ方も整理する方も汗だくで大変だった。今年のこの暑さで自由席だったら熱中症で倒れる人がでたかも。

忠臣蔵はさすがに極めつけというか、芯の役者はいつどの役が回ってきてもすぐにできなければいけないと言われているぐらいだし、観客のほとんどが何度も観てよく知っている芝居だけに、演じる側には大変なはず。忠義に凝り固まった武士の物語と田舎の一軒家で繰り広げられる家族の悲劇とがそれぞれに良くないと成り立たない。千崎弥五郎や不破数右衛門のように最初から最後まで武士らしくあり続ける役は、武士としての作法を守っていればそれらしく見えるからまだいいとして、難しいのは世話の部分を担う役。多少のぎこちなさをひたむきさで補って、ハードルの高いこの芝居に熱意でぶつかっていく、その真摯な姿勢がこの公演の何よりの魅力。

今回は幸い劇評の話が来なかったので、頭の中であれこれ考えずに十分に楽しむことができた。若手のみんなが本当によく頑張っていて、中でも一番印象に残ったのが梅之さんのおかや。まだ三十路に足を踏み入れたばかりなのに、老け役、しかも婆役がこれほど自然だなんて! 落語に造形が深いのも台詞の説得力につながっているかもしれない。

11時半開演で14時半すぎの終演後、後半が17時開演と2時間半もあいてしまったので、駅の上のサンマルクカフェで時間をつぶす。初芝居の時はマックだったのにいつのまに〜??

後半の幕間で振り向いたら斜め後ろにお久しぶりの知人がいたので手を振ったらキョトンとされてしまい、お久しぶりすぎて忘れられちゃったかなぁ、と思っていたら、終演後に彼女のほうから話しかけてきてくれた。雰囲気が変わって分からなかったって。髪が伸びたからねぇ。

夜になっても暑い中、帰り着いたらエントランスに蝶がいたので撮ってみた。セミは怖がってばかりなのに蝶だと写真って、差別だよねぇ (^^ゞ