夕べは久々に携帯電話から日記を更新するのに1時間以上かかってしまい、疲れてお風呂もパスして寝てしまったので、今朝はモーニングコールで7時に起き、まずはのんびりお風呂につかる。気持ちよくてゆっくりつかりすぎたのか、ほっかほか状態がちっとも冷めずに着替えもできない。ようやく身支度が終わった時には8時を過ぎてしまい、50分にロビーで集合なので、まずチェックアウトしてから食堂へ向かう。洋食のバイキング。北海道ならではのメニューを期待したけどごくごく普通。でもコーヒーは美味しかった。急いで食べたからほんのちょっとだけ余裕があったので、食堂の隣りの 「大正硝子館」 に寄り、夕べチラッとのぞいて心惹かれた小さな小さな天使のガラス人形を絵の教室のメンバーに買う。
外はあいにくの小雨模様。ロビーではすでに担当さんが待っていた。タクシーの運転手さんも。実は出発前に旅程をきいたら裕次郎記念館が入っていて、「行きたくな〜い」 とつい正直に言ったら、特別に専用タクシーを手配して、担当さんと2人で自由行動させてくれることになったんである。フェスタで着物を買わなかったのにこのオプションを取り消されることもなく、自分のお土産以外はなにもかもお店持ちの大名旅行。それだけこれまで着物に投資してきた結果とはいえ、チクチクと胸が痛む。この運転手さんがまたとてもとてもいい人で、車を停めるとすぐに傘をさしかけてからドアを開けてくれるし、自分は濡れたままで私の傘に一緒にと勧めても固辞して、懇切丁寧かつ軽妙なガイドさんの役割も果たしてくれる。いい人に当たって本当によかった。
そこここの建物や風景の説明を聞きながら札幌市街を抜け、小樽へ。まずは私と担当さんの一致した希望で、「メルヘン交差点」 というかわいい名前の五叉路の近くにある 「小樽オルゴール堂」 へ。吹き抜けの木造建築はあたたかく、ガラスのきらめきが美しい。特にアンティーク・オルゴールの展示が素晴らしく、ひとつひとつじっくり見つめて飽きることがない。ここでは何も買わなかったものの、とても素敵な空間だった。でも職場としてはどうかなぁ、とスタッフの立場になってみる。絶えずあちこちでオルゴールの音がしているのってストレスにならないんだろうか。
続いて映画やポスターでおなじみの景観スポット、小樽運河。風情あるかつての倉庫は喫茶店やみやげ物店として現役で活躍している。人力車も待機していて、浅草の人力車に比べるとつくりがハイカラな感じ。でもあいにくの雨で乗る人が少なく、呼び込みに苦戦していた。その後は運転手さんお勧めのニセコ積丹小樽海岸国公園の中にある赤岩山山頂の展望台。あたり一面パノラマの海〜! 「天気がよければまさに絶景なんですけどねぇ」 と運転手さんは残念そうだったけれど、十分すぎるほど。眼下に見える日和山灯台は、「喜びも悲しみも幾年月」 の舞台になった場所だそうだ。シナリオの勉強をしていた頃に先生に勧められて見たなぁ。雨まじりとはいえ気持ちのよい海風にしばし吹かれた後、これまた運転手さんお勧めの 「にしん御殿」 こと旧青山別邸に立ち寄る。にしん漁で莫大な富を築いた青山家が大切なお客様をもてなすための別荘として建てたもので、建物自体も桧や白檀をふんだんに使い、天井から廊下の梁から欄間からどれも素晴らしく、調度品や美術品の素晴らしさはもうため息が出るほど。美術品を保護するために当然ながら撮影禁止。螺鈿の見事な箪笥の引き出しのひとつがなくなっていて、数年前に盗まれたそうだ。心ない人がいるなぁ。気候としては寒くはないのだけれど、ひんやりとした廊下を歩いているうちに足が冷たくなってくる。それを考慮してポイントポイントにホットカーペットが置かれているのがなんとも嬉しい。こんなに素敵な観光スポットに案内してくれた運転手さんに感謝。
ここで昼食タイム。通称 「寿司屋通り」 にある老舗の政寿司で、昼間だというのに超辛口の冷酒を頂きながら、ウニやイクラたっぷりのあたたかい葛流しや新鮮なお刺身に続いて握りももちろん完食。またまたおなかいっぱい〜。
次はまた私と担当さんの一致した希望でガラス工芸シリーズ。まずは宿泊先のホテルに出店していた 「小樽大正硝子館」 で、バーナーでとんぼ玉を作る工程を見学した後、組紐でネックレスにしたら素敵そうなエメラルドグリーンのとんぼ玉を購入。続いて向かった先は、同じ通りに様々な店舗を展開している 「北一硝子」 。私も担当さんも手芸フリークだから、材料になるとんぼ玉は大好きなのだけれど、器やランプ、アクセサリーの類にはあまり興味がないので、ひととおり回ったもののガラス製品は購入せず、代わりに担当さんはハスカップワインを、私は 「ドラキュラの蒲萄」 という名のハスカップ果汁液を購入。アイスクリームにかけたりヨーグルトにまぜたりしても美味しいらしい。
あちこち回って十分楽しんだ頃、いよいよタイムリミットで、親切この上ない運転手さんと名残を惜しみつつお別れして、他の人たちと合流してバスに乗り、新千歳空港へ。お土産売場では、おなじみの 「白い恋人」 や六花亭のイチゴ入りホワイトチョコやバターサンドを買ってる人が多かったけれど、どうしてもほしいお菓子があって探し回る。そしてやっと見つけたのが 「もりもと」 のハスカップジュエリー。前にイッセーさんのライブでご馳走になって、とても美味しかったのでメールで問い合せたけど分からなかったあのお菓子。うれしくなってお土産だけじゃなく自分の分も買い、完熟トマトのゼリーも買い込んで一気に荷物が重くなる。
18時ちょうど発で、悪天候のために若干遅れたものの、19時55分発の空港リムジンバスに間に合った。ところが札幌・小樽は小雨だったのに土砂降り。「最後の最後にミソがついちゃったねぇ」 と担当さんと言い合っていたのだが、約1時間で私たちが降りる駅に着いた時にはウソのように雨が上がっていた。なんてラッキー!
… というわけで、わずか1泊2日の旅行とはいえ初めての北海道はとても楽しかった。その間に2通ほど仕事のメールが届いたけれど、なんとかアンダーコントロール。また行きたいな。今度は自費で…。
(文中、文字の色が違うところは該当するHPにリンクしてあります。)