まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992018-06-25

夕べ送ったファイルに対し、いつもなら即レスの先生から受領確認のメールが届かないので、ちゃんと届いているかなぁ、と心配していたら、すぐにレビューをスタートしてくれたようで、いくつかコメントの入ったファイルが送られてきた。残りあとひとつの5つめは、夕べ送った和訳をベースに作業をする必要があったので、こんなふうにすぐにフィードバックしてくれるのはありがたい。

とはいえ、今日は歌舞伎座の夜の部なので、勝手ながら仕事はちょっとお休み。北千住のスタバで、サラダラップとドリップでひと息ついてから、東銀座の歌舞伎座へ。

まず「夏祭浪花鑑」は、吉右衛門の団七に菊之助のお梶、二人の間の倅を菊之助の息子、吉右衛門にとっては孫にあたる和史くんが演じる。団七が倅を背負って花道にかかり、お梶が団七の髪についていた飾り紙をとってやる場面の写真が良かったので購入。

錦之助の一寸徳兵衛に雀右衛門のお辰、歌六の三婦に東蔵のお次、種之助の磯之丞に米吉の琴浦と、それぞれのカップルが相性もバランスも良かった。雀右衛門のお辰は意外にも初役で、色気がありすぎると言われた顔に自ら火箸を押し当てて傷つけ、亭主に嫌われないかと問われ、「亭主が好くのはここじゃない」と顔を差し、「ここでござんす」と胸をポンと叩いてみせる花道での見せ場をごくあっさりと運んでいたのがかえって粋に見えた。

橘三郎の義平次が手強く、その分、殺し場までのくだりが充実していたのだけれど、吉右衛門もすでに70代。横たわる義平次にまたがる形で仁王立ちになった後、飛び上がって半回転し、さらに半回転する場面など、若い頃のようなキレがないのは当然のことで、伝統的な型があるにしても、年齢に応じて臨機応変に無理のない型に変えたほうが見栄えがするんじゃないかなぁ、と思ったりした。心理描写が巧みなだけに、身体的に無理をしているように見えてしまうのは損なんじゃないかと。

続いて、珍しい「巷談宵宮雨」は、24年ぶりの上演。芝翫が演じる龍達は、女犯の罪で寺を追われた元住職で、皮膚病と蚊に刺されたのとでボリボリと身体を掻いてはウチワで客席に向かってカスをはたきまくるので、見ているだけでムズムズと痒くなってくる。龍達が隠した百両を頼まれて掘り出してきたのに、わずか2両しか礼金を出さない龍達に腹を立て、たまたま手に入った毒薬で殺してしまう甥の太十を松緑が演じ、ギョロリと目をむく表情が役によく合い、好演。太十の女房おとらを雀右衛門。最後は龍達に取り殺されてしまう。24年前の舞台も観ていて、勘九郎時代の勘三郎の太十に富十郎の龍達だった。

太十にネズミ取りの薬を渡す薬売りを演じる橘太郎さんの「ヨイヨイ」ぶりが絶妙だった。さすがの手腕。

それにしても…「夏祭」では義平次が泥まみれの上に斬り殺されて血を流し、「宵宮雨」のほうは龍達が毒のせいで目からも血が出て顔中が血まみれ。歌舞伎を初めて観る人には、あまりオススメできないラインアップなだけに、何人か見かけた外国からのお客さまに果たして歌舞伎の魅力が伝わったかどうか…。

明日は昼の部なので、仕事は保留して、お風呂へGO。おやすみなさい☆